2010年 09月 11日
NY回想記14 ドラムの神様の娘。 |
NY回想記、暫くさぼっていてすみませんでした。
そろそろ完結させないとですね。
頭を15年前にタイムスリップして書きます!
僕はアパート近くにあるブルックリンのメキシカンレストランでよく昼食を食べていた。
このレストランは古くてちょっと小汚いのだが、とても美味しかった。
料理名は忘れたが、何とか豆のスープがとても美味しくてよく食べに行っていた。
ミネストローネ風のスープに豆を入れた感じだった。
ある日の昼下がり、そのメキシカンレストランで昼食を済ませてアパートに戻ると、
リビングでアーリーが黒人のおばさんと何やら談笑している。
アーリーのお客さんかと思い挨拶をした。
するとアーリーは信じられない事を口にした。
「She is ART BLAKEY’s daughter」
えっ?
まさか!
自分の耳を疑った。そして聞き返した。
「SHE IS ART BLAKEY’S DAUGHTER!」とアーリーは言った。
頭の中が真っ白になった。
何ということであろうか!
彼女はあのジャズドラムの神様であるアート・ブレーキーの娘さんであった!!
名前はエブリン・ブレーキー。ジャズボーカリストだ!
おばさんなんて言って本当にすみませんでした。
何とアート・ブレーキーの娘さんが自分のアパートに遊びに来ているのだ!!
そして彼女はアーリーとバンド仲間だったのだ。
いやー、びっくりしたー。
しかし驚くのはこれだけでは済まなかった。
何と、何と部屋のスタジオでエブリンが、アーリーの伴奏であの「Moanin’」を歌い出したではないか!!!
斉藤はこの期に及んでウソを書いていやがると思う読者もいるかもしれませんが、
本当に本当です。
アート・ブレーキーの娘さんが目の前で「モーニン」を歌っているのである!!!
ソウルフルな歌声ですばらしかった!
感動なんてもんじゃなかった。
そして、
しかし歌い終わるとエブリンが言った。
「ノブも何か一曲弾いてー」と…。
えーっ!
天国から地獄に落ちた気分になった。
まさかアートブレーキーの娘の前で下手なピアノなんか弾けないよーと思った。
アーリーもいつもオレにはピアノを触らせないくせにその時ばかりは調子よくオレに弾いていいと言った。
もうどうにでもなれ精神で弾くことにした。
なぜか「オーバーザレインボー」をソロで弾いた。
ちょうどその頃練習をしていた曲だったので。
どう弾いたか今となっては覚えていないが、一生懸命弾いた。
弾き終わるとエブリンはただ笑顔だった。
上手いとも下手とも何も言わなかった。
下手であったと思う。
ただそんな事は全く関係ないと言わんばかりにエブリンはただ笑顔だった。
その笑顔から何かを教わった気がした。
下手でも一生懸命やれば伝わるものがあるのだと。
エブリンはとても優しい人だった。
それからエブリンは僕のアパートにバンド仲間と共に何回か来てスタジオでセッションをした。
皆、温かい人達ばかりだった。
NYに来て悪い事もあったけど、こんなにいい事もあった!!
そろそろ完結させないとですね。
頭を15年前にタイムスリップして書きます!
僕はアパート近くにあるブルックリンのメキシカンレストランでよく昼食を食べていた。
このレストランは古くてちょっと小汚いのだが、とても美味しかった。
料理名は忘れたが、何とか豆のスープがとても美味しくてよく食べに行っていた。
ミネストローネ風のスープに豆を入れた感じだった。
ある日の昼下がり、そのメキシカンレストランで昼食を済ませてアパートに戻ると、
リビングでアーリーが黒人のおばさんと何やら談笑している。
アーリーのお客さんかと思い挨拶をした。
するとアーリーは信じられない事を口にした。
「She is ART BLAKEY’s daughter」
えっ?
まさか!
自分の耳を疑った。そして聞き返した。
「SHE IS ART BLAKEY’S DAUGHTER!」とアーリーは言った。
頭の中が真っ白になった。
何ということであろうか!
彼女はあのジャズドラムの神様であるアート・ブレーキーの娘さんであった!!
名前はエブリン・ブレーキー。ジャズボーカリストだ!
おばさんなんて言って本当にすみませんでした。
何とアート・ブレーキーの娘さんが自分のアパートに遊びに来ているのだ!!
そして彼女はアーリーとバンド仲間だったのだ。
いやー、びっくりしたー。
しかし驚くのはこれだけでは済まなかった。
何と、何と部屋のスタジオでエブリンが、アーリーの伴奏であの「Moanin’」を歌い出したではないか!!!
斉藤はこの期に及んでウソを書いていやがると思う読者もいるかもしれませんが、
本当に本当です。
アート・ブレーキーの娘さんが目の前で「モーニン」を歌っているのである!!!
ソウルフルな歌声ですばらしかった!
感動なんてもんじゃなかった。
そして、
しかし歌い終わるとエブリンが言った。
「ノブも何か一曲弾いてー」と…。
えーっ!
天国から地獄に落ちた気分になった。
まさかアートブレーキーの娘の前で下手なピアノなんか弾けないよーと思った。
アーリーもいつもオレにはピアノを触らせないくせにその時ばかりは調子よくオレに弾いていいと言った。
もうどうにでもなれ精神で弾くことにした。
なぜか「オーバーザレインボー」をソロで弾いた。
ちょうどその頃練習をしていた曲だったので。
どう弾いたか今となっては覚えていないが、一生懸命弾いた。
弾き終わるとエブリンはただ笑顔だった。
上手いとも下手とも何も言わなかった。
下手であったと思う。
ただそんな事は全く関係ないと言わんばかりにエブリンはただ笑顔だった。
その笑顔から何かを教わった気がした。
下手でも一生懸命やれば伝わるものがあるのだと。
エブリンはとても優しい人だった。
それからエブリンは僕のアパートにバンド仲間と共に何回か来てスタジオでセッションをした。
皆、温かい人達ばかりだった。
NYに来て悪い事もあったけど、こんなにいい事もあった!!
by nobu-blue-pf
| 2010-09-11 03:17
| NY回想記